インバウンド旅行者数上位1~15位の国別市場分析(後半)
国別の市場分析_訪日旅行者数上位9位~15位の国の定量・定性データを分析していきます。1~8位の情報はこちらの記事で!
マレーシア
基本的数値
2015年 31万人 シェア 1.5% 順位 9
旅行支出/人 150,423
平均泊数 12.3
旅行消費額 459億円 シェア 1.3% 順位 10
◎訪日人数 年間推移
◎月別データも参照
3.4.11.12月が多い。11.12月が特に高い。
◎2015年基本データ
(全体シェア、順位、旅行支出/人、平均泊数)
(旅行消費額(億円) 属性)
平均泊数はやや長いのに、
1人あたりの旅行支出はやや少ない
◎来訪目的
◎来訪回数
1回目の人がちょうど半分で多め
◎同行者
全体傾向との差はほぼなし
◎旅行形態
◎観光・業務別の旅行形態
個別手配が多め
◎滞在日数
7日以上が多く長め
◎旅行支出/内訳割合
買い物代はやや少なめ
◎購入単価/購入率
化粧品、医療品、電気製品など購入率少ない。
和服だけ購入率やや多め。
◎旅行情報源
日本在住の知人が多め
◎満足度
満足度高め
◎各都道府県の訪問率あり
特に特徴的な傾向はなし
◎数値データ要約
約半数が初来訪者で、滞在日数は半数以上が「7~90 日間」。
満足した購入商品は「服・かばん・靴」であり、購入率も高い。
出発前に役に立った情報源は「親戚・知人」とする回答が多い。
▼GDP/人口/旅行者人数
海外旅行人数は多い。陸続きで出る人が多い。
単純比較はできないが、訪日は1%しか占めていない。
▼ビザや法律面
90日以内ビザ不要
▼SNS
正統派SNS:Facebook(人口普及率:49.03%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージ:WhatsApp、LINE
特徴
マレーシア人は、東京より大阪を好むようだ。
東京は既に外国人観光客が多数訪れており、「国際化しすぎている」という印象。マレーシア人の間では大阪の人々のほうがフレンドリーで、食べ物がおいしく、物価が安いというイメージがある。大阪は東京ほどの大都市ではないとも思っている。
▼DBJレポート
【泊まる】
日本旅館での宿泊を希望する人が多いが、訪日経験者でみる と日本旅館と高級ホテル、安価なホテルに宿泊した人の割合が同程度。
宿泊施設に英語対応を求める人の割合が他地域と比較して高。
【買う】
高級品より現地の人が使う日用品を買いたいと考えている人が多く、「食品(その他)」「日本の特産品、伝統的なもの」を買いたいと答えた人が多い。
「ショッピングモール」「スーパーマーケット」で買い物をした人が多い。
【旅行地の選定】
「治安の良さ」「世界遺産への関心」で日本旅行を選んだ人が多い。
【旅行スタイル】
少人数での旅行で、安価な食事や安価なホテルなどを利用し、できるだけ安く、自由に旅行先を回るスタイルを好む人が多い。
一人旅の割合が8地域の中で最も高い。
日本旅行の情報を日本政府観光局や旅行会社のホームページなどから収集する人の割合が地域と比較して高い。
ユースホステルや現地の人から借りるアパートなどへの宿泊を希望する人の割合が他地域と比較して高い
▼主な国外旅行シーズン
最大のハイシーズンは11月末~12月末の学校休暇時期※ただし訪日シーズンは、4月の桜の時期も人気
人気の訪問国・地域(2013年):1位タイ、2位インドネシア、3位シンガポール、4位中国、5位香港(※日本は11位)
・人気の日本の訪問地:ゴールデンルート、北海道
マレーシアからの人気の旅行先はタイ
そしてインドネシア、中国、シンガポールと続く。アクセスが良く、言葉の問題や食事(ハラル)の問題も少なく、飛行機で2時間ほどで到着する近距離エリアに底堅い人気がある。
▼増加の理由
1. 円安トレンド、2. LCCの参入、3.ビザの取得免除、4. 世帯収入の上昇など好条件に加えて、官民を挙げた日本への観光誘致活動の成果もあり、2014年はマレーシアから約25万人の訪日数を達成、前年比35.6%の大幅伸長を記録している。タイやインドネシアがマレーシアから毎年120万人以上の観光客を呼び込んでいることと比べるとまだまだ規模は小さいが確実に日本ファンを増やしている
・マレーシアの最も主要な旅行形態は「家族旅行」。2011 年の消費動向調査では震災の影響もあり家族旅行の割合が低下したが、2012 年には回復・増加。
・査証免除と LCC 就航による旅行費用の低廉化により、以前より、気軽に訪日旅行ができる環境に
・家族層の世帯主である 30-40 代は、男女ともに、「日本食」、「温泉」への関心が高い。続いて男性は、3番目に「自然・景観地観光」、女性は「四季の体感」を挙げている。
・訪問地域は、北海道と東京が人気を二分している。
外的要因
▼就航路線
2012年は日本国内でもLCC(ローコストキャリア=格安航空会社)が本格的に参入を始め、LCC元年となった。マレーシアのLCCであるエアアジアXは成田、羽田、名古屋の3空港で直行便を就航させている。時期にもよるが日本とクアラルンプールの片道直行便で2万円前後という格安価格のため気楽に日本への旅行を計画できる個人旅行者が増加した。2014年5月よりクアラルンプール国際空港にLCC専用ターミナル「KLIA2」がオープン。クアラルンプール市内から電車も直結しており、LCCの利用がますます便利になった。
2013年7月1日より東南アジア(マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピンの5か国)の訪日観光客向けビザの取得条件について大幅な緩和を行った。これによって、マレーシアからの短期滞在の観光客はビザ取得免除となっている。ビザ緩和で先行していた韓国に対抗する狙いもある。
▼アップル旅行の戦略
訪日旅行最大手、アップル旅行グループのリー・イーホエ会長
1996年創業。同社で手掛けるツアーのうち約6割が訪日旅行で、「訪日旅行=アップル」のブランド認知を強みに、マレーシア国内で最大手となっている。現在は旅行業のみならず、不動産投資やホテル経営、PR会社、運輸業など、グループ全体で23社を擁する。 ツアーで利用する航空会社は利便性で選ぶ。まず最有力となるのは、地元の航空会社でチャーター便などの交渉がしやすいMAS。次に日本への直行便があるJAL。北海道ツアーの場合は、タイ航空を利用することも。KLから成田空港に飛んで、さらに羽田空港に移動して北海道を目指すより、タイ・バンコクから直接北海道に飛ぶほうが運賃が安く済む。
▼エアアジアX
1月に引き 続き、エアアジア X の新千歳線就航が雪遊びやスノースポーツを目的とした訪日需要を喚起した。その他、旧正月を含め最大で 9 連休を取得できたこと、旧正月期間中の訪日ツアーが昨年に比べ多数催行されたことなど、様々な要因で2016年冬も伸びた。エアアジア X を使う層の多くが、航空券は個別に自己手配し、それ以外のホテルや JR パス等のランド部分を旅行会社に依頼している。旅行会社では、この需要に応えるため、航空券を含まないランドパッケージの販売にも力を入れている。
▼ムスリム対応について
訪日旅行客の中華系、ムスリム系それぞれの人数は把握できないため、2013 年 MATTA9 月期のジャパンパビリオン来場者割合(中華系 63%、マレー系(ムスリム)31%、インド系 2%、その他 4%)を参考とし、現状中華系 7 割、マレー系 3 割と置く。
日本では、ハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)対応をうたい、朝食のバイキング会場でムスリム向けのメニューを用意しているホテルもあるが、同じ会場の別コーナーには豚を含んだメニューがあることがある。食品そのものに豚製品が使われていなくても、一緒に調理されるとムスリムは口にすることができない。このようにまだ対応には時間がかかるかもしれない。ただ、その一方で、商業施設や駅、ホテルなどに礼拝所を設けるところも増えてきた。また、日本でもハラル対応の飲食店を紹介したガイドブックが出版され、一部のホテルチェーンでは、ハラル食を提供し始めた。5年前はムスリムを受け入れるホテルを見つけるのも難しかったことを考えると、理解は進んでいる。 ムスリムが安心して旅行できることのアピール重要。
フィリピン
基本的数値
2015年 27万人 シェア 1.4% 順位 10
旅行支出/人 125,567
平均泊数 27.9
旅行消費額 340億円 シェア 1.0% 順位 14
◎訪日人数 年間推移
◎月別データも参照
2009年まで下がっていた。14.15年の伸び幅は高い。
3、4、5、12月は10%越え。
◎2015年基本データ
(全体シェア、順位、旅行支出/人、平均泊数)
(旅行消費額(億円) 属性)
旅行支出は非常に少ない、
平均泊数は異常に長い、知人訪問が多い。
◎来訪目的
観光は50%ほどで、親族・知人訪問が20%を占める
◎来訪回数
1回目が半分で多い
◎同行者
ひとりが多め。
◎旅行形態
◎観光・業務別の旅行形態
8割以上が個別手配
◎滞在日数
28日以上の長期滞在が20%もいる
◎旅行支出/内訳割合
単価は基本的に低いが、飲食費の割合高め
◎購入単価/購入率
医療品などは少なく、服(和服以外)・かばん・靴だけが多い。
◎旅行情報源
日本在住の親族・知人が40%も占める
◎満足度
満足度高い
◎各都道府県の訪問率あり
千葉、東京はやや多め。過半数。
大阪、京都は並にいるが、それ以外はすべて低い。
◎数値データ要約
女性の割合が 56%と高く、特に 20~30 代が多い。
来訪目的は「親族・知人訪問」が約 20%を占め、調査対象の国籍・地域の中で最も高い。
満足した購入商品は「服・かばん・靴」であり、購入率も約 50%と高い。
▼GDP/人口/旅行者人数
1人あたりGDP1番低い
旅行者人数も人口の3%ほど.うち、訪日は8%。
▼SNS
正統派SNS:Facebook(人口普及率:33.97%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:Facebook Messenger
フィリピンではFacebookから独立したアプリとなったFacebook Messengerがモバイルメッセージングサービスの82%のシェアも取っている。
Instagramの人気が凄まじいです。Instagramで写真をアップしてTwitterに連携して投稿するという使い方も多い。
フィリピンは急成長し始めたアジアの発展途上国の中でも最も遅く立ち上がろうとしている経済国。スマートフォンの普及もアジアで一番遅い国。SNSが流行り出している。
▼ビザや法律面
親族訪問、知人訪問・観光、短期商用等 の3種類に分かれる
収入証明書等は不要。ビザの有効期間は3ヶ月。
2014/9/30 より、フィリピン国民に対する数次ビザの大幅緩和。
わが国は,フィリピンとの間の一層の交流発展を目的として,2014年11月20日以降,当館がそれぞれ指定するフィリピン旅行会社(以下「指定旅行会社」)のパッケージツアーを利用して訪日するフィリピン国民を対象として,簡易な手続で一次査証(一回有効の査証)発給申請を行うことができる制度の運用を開始。これにより,従来査証申請者本人が用意する必要のあった書類の一部(渡航費用支弁能力を立証する書類等)の提出を省略することができる。(日本滞在が15 日以内)
特徴
2014年は中国に次ぐ高い増加率である。東南アジア市場で最も高い伸率
フィリピン客の特徴は英語を話すこと、ファミリー旅行。
在日フィリピン人の存在は大きい。2013年で約21万人と中国、韓国に次いで多く、親族訪問に限らず、日本とフィリピンの人的往来は以前から盛ん。親族訪問の割合多め。
フィリピンでの旅行シーズンがホーリーウィーク(イースター休暇)の 3 月下旬から 5月上旬と桜の時期と重なるため多くの人が桜を目当てに訪日旅行。
団体ツアーはほぼ東京・大阪のゴールデンルートのみ。
ただし、フィリピンの場合、全体でみると団体とFIT(個人客)は半々で、アセアンの中ではFITの存在感が大きい市場のひとつといえる。もともとフィリピンには中小の旅行会社が多く、不特定多数の人たちが参加する募集型ツアーよりも家族単位のグループが多く、個人手配の旅行に近い。
英語を話すので、欧米客と同じJTBのサンライズツアーやグレーラインのバスツアーに参加することも多い。国内移動も自分たちで新幹線に乗る。物怖じすることなく欧米客と一緒にバスツアーに出かけるのが、フィリピン人旅行者だ。その意味で彼らは英語圏の旅行者に近い。
フィリピンの人口の約 15%(約 1400 万人)がメトロマニラ(マニラ首都圏)に居住。マニラの平均世帯月収は全国平均の倍近く、ターゲット層はメトロマニラに集中している。
親日な人が多い。
マクロ的な取組み
▼就航路線
フィリピンから日本に乗り入れている航空会社も多彩で、日本航空や全日空、フィリピン航空だけでなく、LCCのセブパシフィック航空やジェットスター航空、ジェットスター・アジア航空がある。さらには大韓航空やキャセイパシフィック航空などの経由便も利用。
査証緩和に加え、円安の進行、羽田空港の国際線発着枠の拡大に伴う増便や新規就航など、航空座席供給量が大幅に増加したことや、旅行会社などとの継続的な共同広告の実施、旅行博でのプロモーションが、観光需要を大きく後押しし、2014 年の伸びに寄与。
▼旅行博
マニラで開かれたTravel Tour Expo 2015は、フ ィ リ ピ ン 旅 行 業 協 会 ( PTAA: Philippine Travel Agencies
Association)が主催するフィリピン最大規模の国際旅行博覧会
フィリピン富裕層を主なターゲットとし、同国最大級のショッピングモールに隣接した SMXConvention Center を会場として開催された。
開催は年1回であり、一般来場者が各旅行会社・航空会社のブースで販売される旅行商品を購入することができる。
家族や友人などと行く小グループの旅行が一般的で、旅行会社を通じて予約することが多く、「フリー&イージー」(航空券と宿泊のセット、またはランドアレンジメントという、宿泊のみまたは空港からのアクセスのついた商品の総称のこと)という廉価な商品と「オールインクルーシブ」という観光・食事まで全て含んだ高価なツアーに大別される。
▼政府の活動
・主要市場であるマニラ首都圏にて集中的にプロモーションを行うほか、直行便が増加しているセブでのプロモーションも引き続き展開。
・最大のハイシーズンであるイースター休暇の前後(3月、4月)と第2のハイシーズンである12月をターゲットに、人気のある東京・大阪(各々の周辺地域への宿泊を促進)に加え、直行便の飛ぶ九州や旅行先として注目が集まる北海道等への送客を図る。
・主要ターゲットを①マニラ首都圏・セブ在住の富裕層・中間所得層(最大ボリューム層)、②20歳代若者層(潜在的ボリューム層)とする。主な訴求テーマは、①の最大ボリューム層に対しては、日本の自然や文化(桜、紅葉、雪等の四季の自然景観・都市観光、伝統文化)、ショッピング、キリスト教関連、②の潜在的ボリューム層に対しては、日本の最新文化(ポップカルチャー)、都市観光、ショッピングとする。
・フィリピンでの主な旅行博等(予定)、2月頃:Travel Tour Expo(TTE)(マニラ)、7月頃:Travel Madness Expo(TME) (マニラ)
(16年4月26日の日本観光庁発表などより)。
イースターは、日本語では 「復活祭」などと訳される、キリスト強の人々の大事な日。「春分の日のあとの最初の満月から数えて最初の日曜日」と決められている。その前後を連休にする企業等が多い。
アセアン各国の訪日旅行を扱う株式会社ティ・エ・エス
英国
基本的数値
2015年 26万人 シェア 1.3% 順位 11
旅行支出/人 210,681
平均泊数 12.8
旅行消費額 545億円 シェア 1.6% 順位 9
◎訪日人数 年間推移
◎月別データも参照
伸び率は大きくはない
3、4、7、10月は非常に高い
◎2015年基本データ
(全体シェア、順位、旅行支出/人、平均泊数)
(旅行消費額(億円) 属性)
旅行支出は高めで、泊数も長め。
男性が圧倒的に多い
◎来訪目的
観光が4割と、ビジネス利用が半数弱占める
親族・知人訪問が14%も。
◎来訪回数
1回目が過半数
◎同行者
ビジネスなので1人が多い
他はカップルが多い
◎旅行形態
◎観光・業務別の旅行形態
9割が個別手配。大手OTAなどの進出が強い
◎滞在日数
7~13日間で40%。やや長め
◎旅行支出/内訳割合
宿泊料金が高く、買物代が少ない
◎購入単価/購入率
全体的に少ない、化粧品や衣料品も同様に少ない。
◎旅行情報源
個人ブログは少なく、
口コミサイトがとても多い
日本在住の親族・知人もとても多い
◎満足度
満足度非常に高い
◎各都道府県の訪問率あり
千葉、東京の割合が7割、9割と非常に高い
長野と広島だけ多い。
その他は関西含めすべて少ない。
◎数値データ要約
来訪目的は「観光・レジャー」の他に「親戚・知人訪問」や「その他ビジネス」が多い。
他の国籍・地域に比べ宿泊料金が高い。
出発前、滞在中ともに「日本在住の親戚・知人」を役に立った情報源とする割合が高い。
▼GDP/人口/旅行者人数
人口6400万人とほぼ同人数が出国する
そのうち訪日は0.4%のみ。
▼ビザや法律面
6ヶ月以内ビザ不要
▼SNS
正統派SNS:Facebook(人口普及率:53.07%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:WhatsApp
イギリスはカナダと同様にFacebookの普及率が50%以上となっている。Facebook もTwitterも下降路線でInstagramは順調に伸びてきている。
イギリスは、円安や国内経済の上向き傾向などの要因に加え、訪日プロモーションが訪日意欲の喚起に貢献している。
欧州人旅行者は、物見遊山型の観光ではなく、北海道でしか体験できないこと、見学ができないことを旅行の目的にして北海道を訪問している。そのような欧州人旅行者の関心が高い。
特徴
欧州人旅行者が利用する旅行商品は、SIT 型(スペシャル・インタレスト・ツアー:テーマ旅行や趣味性が強く体験やアクティビティーが多く含まれる)のグループツアー商品、ダイナミック・パッケージ型商品、航空券のみ、宿泊のみの個人旅行商品と 3 種類あり。
訪日英国人観光客は日本食や自然観光や伝統文化体験を楽しみにしているが、舞台鑑賞も15%の人が体験しているのも特徴。行き先としては東京が圧倒的に高く、京都がそれに次いでいる。広島への訪問率が高いですが近隣県への訪問は少ない。その他に長野・山梨・岐阜への訪問率が高くなっている。
カナダ
基本的数値
2015年 23万人 シェア 1.2% 順位 12
旅行支出/人 170,696
平均泊数 12.4
旅行消費額 395億円 シェア 1.1% 順位 12
◎訪日人数 年間推移
◎月別データも参照
3、4、10、11、12月が多い
◎2015年基本データ
(全体シェア、順位、旅行支出/人、平均泊数)
(旅行消費額(億円) 属性)
平均泊数やや長め
男性の割合が6割を超える
◎来訪目的
観光の目的は半分ほどのみ
1割が知人訪問
◎来訪回数
1回目が半分を占める
◎同行者
自分ひとりが4割を占める
◎旅行形態
◎観光・業務別の旅行形態
9割は個別手配
◎滞在日数
滞在日数長めだが、3日以内の比率も高。トランジットが多い。
◎旅行支出/内訳割合
宿泊料金が高め
◎購入単価/購入率
◎旅行情報源
口コミサイトが多め
◎満足度
高め
◎各都道府県の訪問率あり
千葉、東京が7割越えと非常に高い
関西の比率は3割前後
広島が10%越えで高い
◎数値データ要約
1 割弱が「トランジット」目的で、滞在日数「3 日間以内」の割合は韓国に次いで 2 番目に高い。
「60 代」の割合が他の国籍・地域に比べて高い。
出発前に役に立った情報源は「親戚・知人」とする回答が多い。
▼GDP/人口/旅行者人数
3500万人の人口のうち30%ほどが海外旅行
うち2%が訪日。
▼ビザや法律面
3ヶ月以内はビザ不要
▼SNS
正統派SNS:Facebook(人口普及率:53.81%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:WhatsApp、Kik
地理的に近いこともあってか基本はアメリカ発のサービスがメインですが、モバイルメッセージングサービスに関してはWhatsAppと並んでカナダ発のKikというサービスが人気。カナダでもInstagramが右肩上がりで伸びていますね。
その分Twitterが落ちていてもうすぐInstagramが抜き去りそう。
また、写真共有ではSnapchatというサービスも若年層を中心に人気なので、急激にテキストから写真のコミュニケーションへ移行している。
主な旅行シーズンは、夏季休暇(6 月末~9 月初め)、クリスマス休暇(クリスマス前後の約 2 週間)、春季学校休暇(3 月~4 月頃)となっている。
また、カナダの旅行業者は、紅葉の時期(10・11 月)および桜の時期(3・4 月)を中心にプロモーション活動を展開している。
▼マクロ的な取組み
2012 年政府によるプロモーション概要と目標への貢献度評価
都市圏在住の富裕な中高年層を主なターゲットとして、以下のプロモーションを実施。
① カナダ国内に広範な販売網を張り巡らせている Flight Centre、Carlson Wagonlit Travel の大手流通網 2 社、ならびに Tour East Holidays とRoyal Scenic の有力 2 社と連携し、4 つの共同事業を実施。これらの共同事業の実施を通じて、各事業パートナーの販売網・集客力を動員してカナダから日本への送客増に取り組んだ。
② 中華系カナダ人をターゲットに、有力 TO(8 社)と連携し、値ごろ感のある訪日旅行商品を前面に押し出した共同広告を『明報』『星島日報』などに集中的に掲載し、日本への送客増に取り組んだ。
③ トロントで開催される「Toronto’s Ultimate Travel Show」(2013 年 1 月 26 日~27 日)に在トロント総領事館、国際交流基金トロント日本文化センター、地方自治体、旅行関係日系旅行企業などと連携して日本パビリオンを形成。官民一体となって、訪日旅行の促進と旅行目的地としての日本の認知度向上を図った。
主要ターゲットとして、3 つのセグメントを設定。訪日旅行者の増加を狙うセグメントとして、(1)都市圏在住の富裕な中高年層。および(2)ビジブルマイノリティ(先住民、白人系以外の民族)として最大の人口(2006 年国勢調査:135 万人)を擁し、日本への旅行志向が高いトロント・バ
ンクーバー在住の香港・台湾系カナダ人をターゲットとする。中期的な有望セグメントとしては、(3)20 代若年層および訪日教育旅行の潜在市場としての学生層をターゲットとする。
▼就航路線
2015年10月末の冬季ダイヤから、トロント‐成田便、バンクーバー‐関空便が全便運休、カルガリー-成田便が週7便から週3便となり、夏季に比べ16便の減便となった影響が心配されたが、好調な結果に。
バンクーバー国際空港をハブ航空としているエアカナダは、羽田空港と成田空港に毎日飛行機を運行している。価格は日系のJALやANAよりも数万円安く、カナダのフラッグキャリアなので訪日カナダ人観光客にとって馴染みがあり、最も利用しやすい航空会社と言える。
バンクーバー国際空港から日系の航空会社のJALは成田空港へ、ANAは羽田空港へ毎日運航している。飛行時間は約10時間でANAは往復とも深夜便が利用できる。乗り継ぎ便で待ち時間を含む飛行時間が19時間かかる中国東方航空もバンクーバーに発着していて、往復とも深夜便が条件の訪日カナダ人観光客の場合、ANAよりも数万円安く利用できるメリットがある。
トロントピアソン国際空港からは、エアカナダが羽田空港と成田空港に毎日運行している。飛行時間が約13時間と長いため価格がバンクーバーからよりも数万円高くなる。ユナイテッド航空もニューヨーク、ワシントン、シカゴといったアメリカの都市を経由する乗り継ぎ便を運行していて、飛行時間は最短で約18時間半とかかりますが、エアカナダよりもかなり費用を抑えられるので、あまり飛行機にお金をかけたくない訪日カナダ人観光客をターゲットにしている。
直行便であっても飛行時間が長くなっている。日本人よりも体格のよい訪日カナダ人観光客には直通便よりも、乗り継ぎで飛行機から降りられる方が快適な場合もある。その場合、カナダ国内で乗り継いでもアメリカで乗り継いでも地理的に近いため、大きな違いは見られない。カナダの西側からは比較的飛行時間の短い直行便が、バンクーバー国際空港から毎日何本も運行している。
フランス
基本的数値
2015年 21万人 全体シェア 1.1% 順位 13
旅行支出/人 209,333
平均泊数 14.8
旅行消費額 448億円 シェア 1.3% 順位 11
◎訪日人数 年間推移
◎月別データも参照
4、5、7、8、10月に多い
◎2015年基本データ
(全体シェア、順位、旅行支出/人、平均泊数)
(旅行消費額(億円) 属性)
一人当たり旅行支出額が高い
平均泊数もとても長い
男性率が高い
◎来訪目的
観光目的の割合やや少なめ
知人訪問も10%は占めている
◎来訪回数
1回目が過半数いて多い
◎同行者
自分1人とカップルが多い
◎旅行形態
◎観光・業務別の旅行形態
9割が個別手配
◎滞在日数
3日以内は5%以下で、14日以上が40%もいる
◎旅行支出/内訳割合
買物代少なく、宿泊やや多め
◎購入単価/購入率
和服(着物)・民芸品、マンガ・アニメ・キャラクター関連商品、書籍・絵葉書・CD・DVDの購入率は各3割で高い。特にマンガの単価は非常に高い。
◎旅行情報源
口コミサイト、旅行ガイドブック、日本在住の親族・知人多い。
◎満足度
高い
◎各都道府県の訪問率あり P148
千葉、東京、神奈川県の関東圏が高い
京都、大阪も高い
広島県も高め
わりと広範囲に移動している
◎数値データ要約
観光・レジャー客では「7~90 日間」の長期滞在者が 91%を占める。
「マンガ・アニメ・キャラクター関連商品」の購入率が 29%と調査対象の国籍・地域の中で最も高い。
滞在中は「インターネット(パソコン)」を役に立った情報源とする割合が高い
▼◎GDP/人口/旅行者人数
人口の4割が海外旅行に行くが、訪日は1%に満たない
◎ビザや法律面
3ヶ月以内ビザ不要
▼SNS
正統派SNS:Facebook(人口普及率:39.27%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:WhatsApp
フランスもメインはFacebookのようです。
Instagramの伸びが顕著ですね。
同時にTwitterが下がって来ていることからフランスでもテキストから写真のコミュニケーションへと移行している。
特徴
日本への商用客はほぼ横ばい傾向だが、観光客は年々増加傾向にある。(2011、2012 年は震災の影響を受けたが、2013 年にほぼ回復)
日本の伝統文化や日本食、現代文化やアニメ等、幅広い分野に関心が示されるものの、心理的距離(遠いというイメージ)、遠距離のため実際に費用と日数がかかること及び実態以上に物価高のイメージが強いこと、言語不安等が、訪日旅行を検討するうえでの阻害要素となっている。
・訪日旅行購買可能層が日本の漫画やアニメを見て育った世代であることから、音楽、映像、ファッション、ゲーム、日本のライフスタイル、ネオンの繁華街の魅力等の情報発信も有効。
フランス人が思う日本が誇れること、1位「歴史と伝統」、2位「文化、芸術」
初訪日客が6割を超えている市場のため定番人気観光地への訪問意欲が高いこと、また直行便が東京、大阪、福岡発着のみのため、ゴールデンルートが基本となる。
2回目以降の日本旅行の目的は「自然に親しむ(44.1%)」が最多。地方へ広がる。
初訪日で最も多い「日本の文化に触れたい」は2度目以降は減少
2回目以降は町家、合掌造りなど伝統的建造物を利用した宿泊利用が増加。
▼政府のターゲット設定
最大ボリューム層の①個人(FIT)旅行の中心的なターゲット層である30~40 歳代高学歴層、準ボリューム層の②団体旅行(グループツアー)及び旅行会社を利用した個人(FIT)旅行ツアーの手配層である 50~60 歳代余裕層、将来的ボリューム層の③ポップカルチャーに興味を示す 20 歳代若者層、ポップカルチャー愛好家層の 3 つのセグメントのうち、短期的に訪日旅行者数の増加を狙うセグメントとして上記①~②をターゲットに。
フランス人は日本文化への関心が高い人が多く、発信力があり、地域のブランディングにもつながるので、フランス人向けPRに注力する地域は多い。
日本への関心が高いフランス人向けの月刊情報誌「ZOOM JAPON」もあり、日本が世界に理解されるため、質の高いコンテンツを提供している文化情報誌。フランスに住む、知的好奇心が旺盛な20代~50代の会社員がターゲット。
インドネシア
基本的数値
2015年 21万人 シェア 1.0% 順位 14
旅行支出/人 147,149
平均泊数 17.2
旅行消費額 302億円 シェア 0.9% 順位 15
◎訪日人数 年間推移
◎月別データも参照
3、4、5、7、12月が多い。特に4、7、12月が多い。
◎2015年基本データ
(全体シェア、順位、旅行支出/人、平均泊数)
(旅行消費額(億円) 属性)
平均泊数は長い、それなのに消費額は少ないのでだいぶ少ない
◎来訪目的
観光が半分。研修、会議、ミーティングが多い
知人訪問も5%弱のみ。
◎来訪回数
1回目が半分
◎同行者
◎旅行形態
◎観光・業務別の旅行形態
◎滞在日数
過半数が7〜13日間
◎旅行支出/内訳割合
◎購入単価/購入率
電化製品など少なく、服や食料品が多い
◎旅行情報源
自国、日本の知人からの情報が多い
◎満足度
高め
◎各都道府県の訪問率あり
千葉、東京が多い
山梨、静岡も多い
◎数値データ要約
男性が 6 割を占め、中でも 20 代が多い。初来訪者が半数を占める。
● 業務目的の割合が 36%を占め、中でも「研修」は 11%と、他の国籍・地域に比べて高い。
● 満足した購入商品は「服・かばん・靴」「菓子類」であり、「菓子類」は購入者単価も高い。
◎GDP/人口/旅行者人数
人口がとても多い
出国者の割合も、訪日の割合も3%ほど
◎ビザや法律面
2014/12/1より、インドネシアIC旅券を所持するインドネシア国民に対する事前登録制によるビザ免除を開始。
インドネシアに所在する我が国の在外公館(大使館,総領事館,領事事務所)においてIC旅券の登録を行った人は,3年又は旅券の有効期間満了日までのどちらか短い方の期間中は,15日間の滞在であれば,何度でも日本に入国することができるようになる。
▼SNS
正統派SNS:Facebook(人口普及率:22.15%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:LINE
インドネシアでもFacebook、Twitter、Instagramと世界標準的なサービスが並びましたが、モバイルメッセージングサービスだけは日本と同様にLINEが人気。
特徴
実際の訪日旅行者が、主に中華系を中心とする非イスラム教徒のインドネシア人が多め。インドネシアで外国旅行に出掛けることができるのは、現在のところ、ビジネスに成功した中華系や、以前から裕福なマレー系の人々に限られている。
新たな旅行先を取り入れたパッケージツアーも徐々に増えているが、日本での訪問先は依然として東京、大阪が中心でそれに北海道、九州、アルペンルートが続く。富士山(河口湖)へも好んで行くが、富士山に登りたいという声は少ない。(インドネシア人は、労苦を伴うような活動を避ける傾向にある。)
インドネシア人は、旅先で土産物も盛んに購入するが、和菓子や「和」の情緒を感じさせるような日本的な物が好まれる。高級品より日用品、自分で使うもの含め色々買いたい人が多い。
日本以外の東アジアで人気の旅先は台湾、香港、中国、韓国。
訪日旅行を検討するインドネシア人は、日本に対して、「滞在費が高い」、「食事が大変である」(ハラル関係)、「礼拝の場所がない」というイメージを抱きがち。また、列車を降りてからのアクセスや、日本国内での移動が複雑で難しいことから、FIT での訪問先が東京近郊に限られることも多く、FIT マーケット拡大の 1 つの問題点。パッケージ旅行の需要が高い
▼DBJレポート
【泊まる】
日本旅館に宿泊した人/宿泊を希望する人が多い。
宿泊施設に「低価格」「観光施設へのアクセス」を求める人の割合が他地域と比較して高い。
【買う】
「日本の特産品、伝統的なもの」「お土産」を買いたいと答えた人の割合が他地域と比較して高い。
高級品より日用品、自分で使うものよりお土産を含めいろいろ買いたい人の方が多い。
【旅行地の選定】
「広島」「長崎」を訪れた人の割合が他地域と比較して高い。
「日本の文化・歴史」「日本の科学・技術」「世界遺産」で日本旅行を選んだ人も多い。
行ってみたい日本の観光地のイメージに「新幹線」を挙げる人の割合が8地域の中で最も高い。
【旅行スタイル】
少人数で、ツアーガイドによる案内を希望し、効率的に多くの国を訪問したいと考える割合が高い。
ガイド付き(自由行動日なし)パック旅行を利用した人の割合/希望する人の割合が8地域の中で最も高く、来日前からすべてを決めている割合も高い。
滞在日数(平均)は8.9日と8地域の中でも最も長い。
日本旅行の情報をSNS、口コミサイトのほか、日本政府観光局や旅行会社のホームページなど幅広く情報収集を行う。
ベトナム
基本的数値
2015年 19万人 シェア 0.9% 順位 15
旅行支出/人 194,840
平均泊数 37.7
旅行消費額 361億円 シェア 1.0% 順位 13
◎訪日人数 年間推移
◎月別データも参照
伸び率は非常に高い
3、4、10月が多い。
特に4月が集中して多い。
◎2015年基本データ
(全体シェア、順位、旅行支出/人、平均泊数)
(旅行消費額(億円) 属性)
平均泊数が非常に長くて、旅行支出もその分高い。日数の割には安い。男性が多い
◎来訪目的
観光目的が3割しかいない
知人訪問も1割。 他はビジネスが多い
◎来訪回数
1回目が過半数でやや多め。
◎同行者
ひとりと職場の同僚が圧倒的に多く2つで7割
◎旅行形態
◎観光・業務別の旅行形態
団体ツアーも一定数あり
◎滞在日数
28日以上が30%以上ある
◎旅行支出/内訳割合
◎購入単価/購入率
ショッピング費用は中国の次に高い
◎旅行情報源
日本在住の親族・知人が3割越えでとても多い
◎満足度
◎各都道府県の訪問率あり
千葉、東京、神奈川の関東圏が高め。
山梨、愛知、兵庫が高い。
北海道、沖縄等は0。
◎数値データ要約
男性 20~30 代が多い。平均泊数は 37.7 泊と、調査対象の国籍・地域の中で最も長い。観光・レジャー客の買物代は、調査対象の国籍・地域の中では中国に次いで 2 番目に高い。
満足した購入商品は「化粧品・香水」であり、購入者単価も高。
▼GDP/人口/旅行者人数
海外旅行者数自体は国民の0.5%に満たないが、そのうちの4割が訪日
▼ビザや法律面
2015年1月からのベトナムビザのタイプは20種類となっている。
▼SNS
正統派SNS:Facebook(人口普及率:24.40%)、Zing Me
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:Zalo
国産SNSのZing Meというサービスがあるようだが、Facebookの人気は凄まじく利用者数は爆発的に伸びている。モバイルメッセージングサービスは日本では聞き慣れないZaloというベトナム独自のサービスが人気。
Twitterは全体の国を通して言えることだが、特にアジア圏ではアメリカや日本ほどカジュアルに利用されていない国が多い
また、Twitterはあまり人気は出ていないようでInstagramも少しずつ伸びている程度。なのでベトナム人はFacebookでマイクロブログや写真共有的な使い方もしている。
特徴
いまのところベトナムの訪日ツアーの内容には他国と比べて特徴は少なく、どこの旅行会社も同じようなツアーを出し、同じような価格設定というのが現状。社会主義の国であるため、まだ規制が多く、自由な価格競争も難しい。たとえば、すべて5つ星ホテルに泊まるデラックスツアーや、札幌雪祭りやハウステンボスへ行くツアーなどのスペシャル企画を打ち出しても、なかなか売れないのが現状
ゴールデンルートでは必ず神戸に立ち寄ること。その目的は、瀬戸大橋を見て神戸牛を食べること。
▼食文化について
日本食はほとんど問題ない。焼肉やしゃぶしゃぶ、寿司、和定食など、日本食としてよく知られているわかりやい料理が好まれる。ひとつ注意しなければならないのは、ベトナムではいま中国との関係が良くないため、中国客が多いレストランにお連れするとクレームを受けることがある。
ホテルでも特に困ったことはない。ただし、ベトナムではどんなに小さいカフェでも、家庭でもWiFiが当たり前のように普及しているため、WiFiがないホテルに泊まると驚かれてしまう。こういう点に関しては、あらかじめ日本の遅れているところとして理解もらうよう説明の必要あり。
ベトナム人にビザが免除されているのはアセアン10カ国のみ。だから、もし日本でビザが緩和されたら、間違いなくベトナム人は日本へ行きたいと思う。日本の魅力は桜や紅葉に代表される自然の美しさ、近代的でありながらとても清潔な国であること。日本料理も食べたいし、買い物もしたい。ベトナムの経済水準はまだ低いので、リピーターが現れるようになるには時間がかかるが、少しずつ日本に行きやすい環境が整い始めている。9割のツアーがゴールデンルートというだけに、昨年すでにバスやホテル不足から予約を受けられない事態も発生している。
▼日本語ブーム
「ベトナムで空前の日本語ブームが起きている。昨年度の日本への語学留学生は前年度の4倍で、日本語試験の受験者も東南アジアで断トツだ。ブームの背景にあるのは、国際環境の変化だ。日中関係の悪化で中国からベトナムへ拠点を移す日系企業が増え、商工会の加盟数は1299社(14年4月)と、5年で約1.5倍も増えた。いまや学生にとって日本語習得が「就職への近道」になっている
ベトナムは親日国である。
近年の取組み
▼近年の増加要因
2015年は、ベトナム国民に対する入国査証(ビザ)要件の緩和による好影響が続いたほか、訪日ツアー販売の拡大、福島・茨城・北九州など地方空港へのチャーター便運航数の増加及び同便を利用した廉価ツアーの販売、日本国内におけるベトナム関連イベント・政府関連行事の実施に伴うミッション団の訪日、留学生や技能実習生の訪日が訪日ベトナム人数の増加に貢献。
査証緩和に加え、円安の進行に伴う訪日旅行の価格低下、羽田便の増便をはじめとした座席供給量の増加、従来よりも手頃な価格での航空券の販売、共同広告、有名人歌手を起用したミュージックビデオの制作およびイベント実施、ベトナム語よる情報発信強化などのプロモーションが、増加要因として挙げられる。また、観光客だけでなく、留学生、技能実習生なども増加傾向にある。
▼歌手PVの影響
大阪を旅する「ベトナム人気歌手」のPV撮影が話題に!
ベトナムの人気歌手の新曲のPV撮影のロケ地に大阪を選んだことは、訪日促進プロモーションにつながっていると思う。2014年10月26日にホーチミンで開催された日越交流イベント『ジャパンデー2014』の会場でもこのPVは流された。
▼就航路線
航空座席供給量については、14年7月の羽田空港の国際線枠の拡大に伴い、ベトナム航空のハノイ・羽田線、ベトナム中部都市ダナンから初の成田線などが新規に就航。確実に拡充。
2014末より関西空港にベトナムのLCC・ベトジェット航空のチャーター便が初就航。同エアラインは、定期便が就航する最初の便で機内に水着やドレス姿のキャンペーンガールを同乗させ、ダンスを披露するなど、およそお堅い社会主義国とは思えないサービスが話題。
訪日旅行者数上9~15位の国の定量・定性データをまとめました。地域によってはもちろんのこと、同じアジアでも国々で規模や特性は変わります。各国に対するインバウンド戦略考察の一助となれば幸いです。
訪日旅行業全体に対しての包括的な分析記事はこちらを参照ください。